七月廿六日(水)

晴れ、区P会長懇親会

『コンピュータ用語の常識』(小野勝章・上村義明、昭和45年)より:
磁気カード magnetic card 薄い金属製のカードに、磁性体の被膜をほどこした記憶装置。何百枚かのカードが箱に入っていて、記憶を読み書きするときは、その1枚を機械で抜き取ってドラムに巻きつけ、ドラムを回転させながら磁気ヘッドでカードを読み書きする。このかたちの記憶装置のアクセスタイムは、カードを選んで抜き取る時間と、ドラムの回転にともなう待ち時間の合計ということになる。カードを抜き取ってドラムに巻きつける機構はやはりメカニカルな機構だから、0.5秒くらいはかかる。だから磁気カードは安価で大量の記憶を提供するけれど、アクセスタイムは長い。
カードを収容したり、選んだカードを抜き出す方法は、いろいろなバラエティがある。NCRのCRAMは、カードを四角い箱の中に収容する。カードのヘリには、いろんな形の切り込みが切ってあって、カードを選ぶとき、この切り込みに寄木細工の棒のようなロッド軍がはまり込む。こうしておいてから、ある特定のロッドをわずかに回転させてから持ち上げると、1枚のカードが選ばれてロッドにくっついて持ち上がる。
IBMのデータセルは、カードを立てて、それをかんづめのパイナップルのように並べる。そしてそのパイナップルは、いくつかの扇状のセグメントに分けられる。カードを選ぶには、パイナップルごとグルリ回転して、引抜き鈎の下まで持って来る。1つのセグメントには、カードが200枚入り、セグメントはぜんぶで10個ある。セグメントはまた、ひとつひとつ取りはずしが可能なようになっている。こうして、容量4億字という記憶装置が実現するのである。

容量4億字 == 400,000,000byte(?) == 400Mbyte